◆猪子止戈之助明治期から昭和初期における外科医。京都帝国大学医科大学名誉教授、同附属病院初代院長、日本で最初の喉頭癌手術を行った。但馬国豊岡藩出身。1860年6月（万延元年4月）但馬豊岡藩（現：兵庫県豊岡市）の家老猪子清の長男として誕生した[1][2]。1873年（明治6年）東京外国語学校に入り、翌年東京医学校に転じ、1882年（明治15年）3月東京大学医学部を卒業した[1][2]。同期には青山胤通・西郷吉義・佐藤三吉・田代正等がいる[3]。卒業した年の5月京都府立医学校教諭になり[4]、1887年（明治20年）には医学校校長に就任[5]、翌年には日本で初の喉頭癌全剔出摘出手術を成功させた[6]。その後、第三高等中学校（京都帝国大学の前身）教授となり[1][2]、1891年（明治24年）大津事件で負傷したロシア皇太子（後のニコライ2世）を京都で治療。1892年（明治25年）ドイツ留学を命じられ[7]帰国後第三高等中学校に復職した[2]。1895年（明治28年）には我が国初の胃切除手術を行い、官立医科大学の京都設置ならびに附属医院設立に奔走し1899年（明治32年）京都帝国大学医科大学が創立すると初代教授として外科学第一講座を担当した[5]。同年12月医学博士学位を授与され[8]、1900年（明治33年）には再び渡欧を命じられドイツで外科学を研鑽した[2][7]。1921年（大正11年）京都帝国大学を退官し同大学より名誉教授に補され[5]、1944年（昭和19年）1月31日死去した。
◆河端 貞次明治から昭和時代初期の日本の医師。京都府医学校(現京都府立医大)卒。京都で開業した後、1912年（明治45年）上海に渡り、医院をひらく。1922年（大正11年）、上海居留民団行政委員会会長となり、在留日本人のための学校建設などに奔走する。1932年4月29日に、上海虹口公園での天長節祝賀式典において大韓国人による侵略者爆弾暗殺事件に遭い、死亡した。
◆栗生光謙京都府士族。長崎医学專門学校教授。安政五年四月十五日 (1858)生まれ、栗生誠の長男。君は先代亡栗生誠の長男にして安政五年四月十五日を以て生れ明治八年九月家督を相續す明治五年三月京都中學獨乙學校に入り外人レンコントに就き獨乙語を究め後京都舍密局に入り物理化學分柝學等を修む。明治24年（1891）京都府医学校で教諭を勤め生理学を担当。三十五年十一月長崎醫學專門學校教授に任し三十六年從七位に叙し大正二年從五位に陞り勳六等に叙せらる現に同校教授たり。長女ヨシ（明一七、七生）は分家し次女光（同二二、一一生）は京都府平民堀田直猿に妹ハマ（同元、八生）は大阪府平民根來清次郞に同スミ（同六、一一生）は東京府士族粟津義邦に嫁せり。從五位、勳六等。
◆京都府医学校京都府立医科大学（きょうとふりついかだいがく、英語: Kyoto Prefectural University of Medicine）は、京都府京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465に本部を置く日本の公立大学。1872年創立、1921年大学設置。大学の略称は京府医、府立医大。1872年 - 京都・東山の山麓、粟田口青蓮院（天台宗三門跡の一つ）内に仮療病院を開設。1880年 - 現在地の上京区河原町通広小路上ル梶井町の梶井門跡（同じく天台三門跡の一つ）跡地に療病院を移転。1903年 - 専門学校令による京都府立医学専門学校となる。1921年 - 大学令による旧制京都府立医科大学を設置。大学予科を設置。1952年 - 学校教育法による新制京都府立医科大学となる。1955年 - 医学進学課程を設置1982年 - 日本初の大学病院併設型小児専門病院である小児疾患研究施設（愛称・京都府こども病院）が設立される。2002年 - 医療技術短期大学部を医学部看護学科に改組。2007年 - 大学院医学研究科と保健看護研究科を開設。2008年 - 設置者を京都府立大学と共に京都府公立大学法人京都府公立大学法人へ移行。2018年 - 英国エディンバラ大学と、相互留学による臨床研修を行う覚書を締結[1]。